「対GDP比」という指標-なぜ「対GDP比」という指標がよく使われるのか

例えば、一般会計歳出の規模の時系列的な変化を見たいとする。

戦後における一般会計歳出決算額の推移をグラフにすると次のようになる。

このように長期の時系列歳出データを絶対額(円)で見てしまうと、国の経済規模や所得・物価などの変化がどの程度反映されているのかわからない。例えば、1950年の一般会計歳出額は6,333億円である一方、2014年度の同決算額は98兆8,135億円であり、1950年度から2014年度の間に歳出は156倍の金額となったことになる。

しかし、それによって「1950年度から2014年度にかけて歳出は156倍の大きさにも膨れ上がった」と言って良いかどうか?例えば、もし物価も156倍になっていたとしたら、実質的な増加はなかったことになる。

そのような問題があるため、時系列的な変化を見る時には「対GDP比」という数字がよく使われる。例えば、歳出の対GDP比の場合は、歳出金額をその年の名目GDPで割った数字になる。

対GDP比ということは、経済(国内総生産)の規模に対する比率で見るということである。対GDP比では物価の変動や所得の増加も相当程度数字に反映されていると見ることができる。

歳出の規模を対GDP比で見ると次のようになる。

経済に対する比率で見ると、歳出の規模は1950年代に低下した後、70年代に大きく上昇し、また2000年代末にも大きく上昇したことがわかる。

また、対GDP比という指標は国際比較でもよく使われる。

例えば、歳出の規模を国際的に比較したい時、金額で比較することはできない。

日本の近年の一般会計予算は約100兆円である一方、アメリカの連邦予算は約4兆ドルである。1ドル=100円であれば、アメリカの連邦予算規模は日本の4倍となる。したがって、「アメリカの予算規模は日本の4倍もの大きさであり、とても大きい」と言うことはできるだろうか?ここにはいくつかの問題がある。

第一に、アメリカの人口や経済の規模は日本と大きく異なる。アメリカの人口は日本の倍以上であるし、経済の規模も大きいため、予算規模も当然大きくなると考えられる。

第二に、為替レートは大きく変動するため、単純に金額で予算規模を比較しようとすれば、為替レートによって比較の結果が大きく変わってしまう。

以上の問題があるため、予算規模などを国際比較する時にも対GDP比という指標がよく使われる。対GDP比であれば、大きい国と小さい国の間でも比較が可能であるし、為替レートの変動にも影響を受けない。

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