高校・大学の進学率の推移

1.利用するデータ

ここでは日本における高校・大学への進学率の推移を見る。

利用できるデータは、文部科学省の「学校基本調査」である。

1950年代からの長期的なデータを入手することができる。

2.高等学校への進学率

まずは高等学校等への進学率の推移について見る。

ここで「高等学校等への進学者」とは、各年度末において、

「高等学校等への進学率:中学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者のうち,高等学校,中等教育学校後期課程及び特別支援学校高等部の本科・別科並びに高等専門学校に進学した者(就職進学した者を含み,過年度中卒者等は含まない。)の占める比率」(「就園率・進学率の推移(図)」より)

を指す。

・「義務教育学校」とは、2015年に行われた学校教育法の改正によって、2016年度から導入された小・中一貫学校のこと

・「中等教育学校」とは、中高一貫校のこと。「中等教育学校前期課程」は中高一貫校の中での中学校段階にあたる課程を指し、「中等教育学校後期課程」は高等学校段階にあたる課程を指す

男女別に高等学校等への進学率の推移を見ると、1950年の段階では、男子の高校進学率は50%弱に過ぎず、女子の進学率はさらに低く37%程度であったことがわかる。

その後、進学率は男女とも急速に上昇していき、70年代には90%を超えるに至っている。70年代以降もわずかに上昇していき、近年では男女ともに95%以上の高校進学率となっている。

このように、1950年には4~5割程度の高校進学率であったが、その後急速に進学率は上昇した結果、70年代以降には90%を超える中学校卒業者が高校等へ進学するようになった。加えて、1950年の段階では男女間で進学率の差が存在していたが、60年代にはその差もほとんどなくなっていた。

3.大学・短期大学への進学率

続いて、大学・短期大学への進学率の推移を見る。

ここでの「大学・短期大学への進学率」とは、その年の、

大学学部・短期大学本科入学者数(過年度高卒者等を含む)を、3年前の中学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者数で除した比率

を指す。したがって、現役での進学率を示しているわけではないことに注意。

まず、大学・短期大学への進学率の推移を男女別に見ると、1954年の段階では男子で15%、女子で5%弱に過ぎなかった。

それが1960年代から大きく上昇していった。しかし、1970年代半ばから80年代にかけては、男子の進学率は徐々に低下し、女子の進学率もほぼ横ばいで推移している。

その後、進学率は1990年代からはまた上昇し始めている。2000年前後には約50%の進学率で一時的に停滞するが、その後再び上昇し、近年では男女ともに50%台後半の進学率となっている。

このように、大学・短大への進学率は、高校への進学率のように一貫して上昇してきたわけではなかったことがわかる。

加えて、近年でも大学・短大への進学率は50%台後半であり、高校のように大部分の子どもが進学している状態ではない

4.大学・短期大学進学率の男女間格差

男女間の格差について見ると、1950年代から70年代までは明らかに男子の進学率の方が10ポイントほど高い状態が続いていた。しかし、1980年代にはその男女間格差が縮小してゆき、男女の格差はほとんどなくなったと言える。

ただし、ここで注意が必要なのは、上記の進学率のデータは4年制大学と短期大学の進学率が合計されたデータであることである。

ここで、4年制大学と短期大学の進学率に分解して見てみると、違う姿が見えてくる。

4年制大学への進学率だけで見ると、男子に関しては前掲の4年制大学・短期大学を合わせたデータとほとんど同じような推移の仕方をしている一方、女子に関しては大きく異なった形となる。

つまり、女子の4年制大学進学率は男子の進学率よりも一貫して小さくなっている。その差は縮小傾向にあるものの、近年でも7ポイント程度の差が存在している。

前掲のデータとのこのような違いの理由は、短期大学への進学率のデータを見ると明らかになる。

つまり、1960年代から70年代にかけての女子の進学率の上昇は、4年制大学への進学ではなく、主として短大への進学によって生じていたことがわかる

女子の4年制大学への進学率が大きく上昇したのは1990年代以降のことであった。

一方、90年代後半からは短期大学への進学率は大きく低下している。

ただし、近年でも女子の短大への進学率は8~9%程度あり、約1%である男子の短大進学率よりは依然として高くなっていることもわかる。男子では1950年代から短大への進学者は一貫して少ない。

このように、大学・短大への進学率で見ると男女の格差は1980年代から既に解消されていたものの、女子では短大の進学率が高いことにより、4年制大学への進学率で見ると、戦後一貫して男子の進学率の方が高くなっている

データのソース

・文部科学省の「学校基本調査」
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm

・具体的なデータについては、「年次統計・統計表一覧」のe-statのページから入手できる

・進学率の長期的なデータについては、「年次統計」の中の「進学率(昭和23年~)」から入手できる

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