政府支出の内訳 国際比較(一般政府の機能別支出)

各国の財政規模を比較する時には、一般政府支出の対GDP比という指標がよく利用される。しかし、それは一般政府支出の全体の規模を表すだけであり、各国で具体的にどのような分野へ支出が行われているのか知ることはできない。一般政府支出の規模が同程度の国があったとしても、支出の内訳がまったく異なっていたとすれば、政府が果たしている役割も大きく異なっていることになるかもしれない。

各国の一般政府支出の内訳は、OECD統計における機能別一般政府支出(General government expenditure by function)によって大まかに知ることができる。同統計では、一般政府支出が、

  1. 一般公共サービス (general public services)
  2. 防   衛 (defence)
  3. 公共の秩序・安全 (public order and safety)
  4. 経済業務 (economic affairs)
  5. 環境保護 (environment protection)
  6. 住宅・地域アメニティ (housing and community amenities)
  7. 保   健 (health)
  8. 娯楽・文化・宗教 (recreation, culture and religion)
  9. 教   育 (education)
  10. 社会保護 (social protection)

の10種類に分類されている。

さらに具体的に、それぞれの項目にどのような内容の支出が含まれるかは、内閣府の国民経済計算に関する資料が参考になる。

では、実際に主要な先進国における一般政府支出の機能別支出内訳を、対GDP比と構成比で見てみよう。ただし、G7の1つであるカナダは、OECD統計では機能別支出のデータが存在していなかった。機能別支出内訳のデータが無い国も存在している。

このデータから以下のようなことがわかる。

  • 多くの国の支出において非常に大きな割合を占めるのは、「保健」や「社会保護」の社会保障関係費である。「保健」は医療関係費、「社会保護」はその他の社会保障関係費が含まれていると見ることができる。「保健」+「社会保護」の合計を社会保障関係費とみなすと、OECD平均でも、社会保障関係費が支出の50%を超えている。
  • 日本の一般政府支出に占める社会保障関係費の割合は約60%と、先進国の中でも特に高い。ただし、政府支出全体の規模が大きくないため、対GDP比で見た社会保障関係費の規模はそれほど大きくない。
  • 日本では一般公共サービス費や教育費が特に小さい。
  • アメリカでは防衛費や保健費が特に大きい。保健が特に大きくなるのは、アメリカにおいて医療費が非常に高いことによるものと考えられる。

やはり、多くの国で社会保障関係費が大きな割合を占めており、支出のうちの半分以上を占める国が多い。今日では、政府の果たしている役割として特に大きいものは社会保障であると言える。それは日本でも同様である。

一方、日本の支出の中で特に小さくなっているものとして教育に対する支出がある。教育に対する支出の対GDP比のOECD平均は5.4%であるのに対し、日本のそれは3.4%にとどまっている。この現状は、日本の大学の学費が国際的に見ても特に高いといった現状と大きく関係している。

データソース

National Accounts at a Glance

⇒ その中の6. General Government

⇒ 右側に現われる表の“Indicator”の中から、“General government expenditure by function, general public services, percentage of GDP”などを選択すると、一般政府支出の機能別分類を選択できる

各機能別支出をIndicatorからいちいち選択するのではなく、一覧できるようにしたい場合は、表上の“Customize”から“Layout”を選べば、そこで調整できる

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