政府の大きさの国際比較(一般政府支出の規模)

政府支出全体の規模を国際比較したい場合、中央政府の歳出の規模(例えば日本の国の予算規模とアメリカの連保予算の規模)のみを比較する訳にはいかない。国によって、中央政府が果たす役割の大きさ、地方政府が果たす役割の大きさなどには違いがある。中央政府の財政規模は政府部門全体から見ると一部に過ぎない。例えば、地方分権が進んでおり、中央政府と比較して地方自治体の予算規模が大きい国の場合、中央政府の財政規模だけで他国と比較してしまうと、自治体の財政規模が大きいことを無視することになってしまう。

また、日本の場合、医療や年金は大部分が社会保険を通して給付され、医療や年金給付の金額は(国や地方の負担分を除き)国や地方の予算に計上されるわけではない。一方、社会保険方式ではなく、国が税方式で医療や年金を給付している国があったとすると、国の予算の中に医療・年金分も含まれることとなる。したがって、国が税方式で医療や年金を給付している国では中央政府の財政規模は大きくなると考えられる。その意味でも、中央政府の財政規模を見るだけでは、社会保険の大きい国の政府規模を過小評価することになってしまうかもしれない。

以上のような問題を避けるため、政府の規模・公的部門の規模を国際比較する場合、国・地方・社会保障基金をすべて含む「一般政府」の規模を比較するのが一般的である。以下では、OECDのデータを利用して一般政府支出の規模を国際的に比較する。

2016年における各国の一般政府支出の規模を見ると、フランスや北欧諸国を含む大陸ヨーロッパ諸国が政府支出規模の大きい国に位置している。一方、アメリカ、カナダ、イギリスといったアングロサクソン諸国は比較的規模の小さい国に位置している。日本の一般政府支出の規模は、後者のアングロサクソン諸国に近い。つまり、日本の政府支出の規模は比較的小さいと言える。2016年における日本の一般政府支出の対GDP比は38.7%であるのに対し、データの取れるOECD加盟国の平均値は43.5%であり、5ポイント程度の差がある。ただし、このデータには、OECD加盟国の中でも政府支出の規模が小さいと思われるチリ、メキシコ、トルコのデータが含まれていないことには注意が必要である。

長期のデータが取れない国も多いが、いくつかの国(G7+スウェーデン)の長期的な推移を見ると、日本の政府支出は昔から非常に小さい規模で推移してきたことがわかる。特に1970年代、そして90年代以降に規模が増大し、近年ではイギリスやドイツの規模に近づいている。しかし、増大してきたとはいえ、既に見たように近年でも日本の政府支出の規模は国際的に見て比較的小さい方である。つまり、日本の政府支出の規模は歴史的に見てもずっと小さかったし、近年でも小さい方である。

データソース

⇒ 右側に現われる表の“Variable”から、Governments accountsの中のTotal disbursements, general government, as a percentage of GDPを選択

※表示するデータの期間や国などは表の上にある“Customize”から変更できる

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする