高齢化率の国際比較

1.利用データ

財政状況が厳しい中で社会保障関係費が大きく増加していることや、世代間の不公平の問題などとの関係で人口の高齢化が問題視されることが多い。

ここでは各国の人口の高齢化率(65歳以上人口の比率)を見る。各国の人口の年齢構成比など、人口に関してよく利用されるデータは、国際連合の世界人口推計(World Population Prospects)である。多くの国の人口について1950年からの推移と、それに加えて2100年までの将来的な人口推計についてもデータを入手することができる。

国連のデータに日本のデータも含まれるが、日本の人口データについて詳しくは、国立社会保障・人口問題研究所によって公開されている『人口統計資料集』が非常に便利である。『人口統計資料集』では、日本の人口に関する詳細なデータのほか、日本以外の主要国に関するデータについても提供されている。

日本の将来的な人口の推計に関しては、同じく国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が「日本の将来推計人口」として公表している。同推計では2115年までの推計が公表されている。日本の将来的な人口の推計については、この国立社会保障・人口問題研究所のデータを利用するのが一般的であろう。例えば、日本の将来の高齢化率(65歳以上人口比率)について国連の推計と社人研の推計とを比較すると、数%ポイント程度の差があるようである。

本ページで利用しているデータは、日本以外の各国については国連の世界人口推計(World Population Prospects)、日本については国立社会保障・人口問題研究所のデータ(2015年までは国勢調査による実績値、それ以降については「日本の将来推計人口」による推計値)である。

利用したデータに関してより詳しくは本ページの末尾を参照。

2.人口の高齢化率(65歳以上人口比率)の推移と将来推計:国際比較

まずは国連統計(World Population Prospects)によって近年までの各国の高齢化率の推移を見てみよう。

このデータからわかることは、

1.戦後で見ると、主要な先進国ではどの国でも高齢化が進展していることである。それは「主要先進国」(ここではヨーロッパ諸国、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、および日本の全体)の数字を見ても明らかである。

2.中でも、比較的近年における日本の高齢化の進展が国際的に見て特に速いことである。日本の高齢化率は1980年代までは国際的に見ても低い方であったが、90年代以降に多くの国を追い越し、2000年代には世界最高水準の高齢化率に達した。

続いて、将来的な推計についても見てみよう。同じ国連の統計では、2100年までの将来的な人口推計も公表されている。

もっとも、将来的な高齢化率の推計値は出生率などの仮定によって異なってくる。国連統計ではいくつかの仮定に基づいた推計値を公表しているが、ここでの数値は中位的な推計値(medium variant)によるものである。日本以外の数値についてはこの国連統計による。一方、日本については社人研「日本の将来推計人口(平成29年推計)」における、「出生中位(死亡中位)推計」によっている。なお「出生中位」では、将来的な合計特殊出生率が1.44程度で推移することが仮定されている。

これらのデータによれば、多くの国において、将来的にも緩やかに高齢化率が上昇していくと予想されており、主要な先進国全体では2100年時点で高齢化率が30%程度に達すると推測されている。ただし、日本では(出生率に大きな変化がないと仮定すると)38%強の高齢化率まで達し、将来的にも先進国の中でも特に高い高齢化率で推移すると見込まれている。

同時に、韓国では今後、日本の高齢化の速度を上回る勢いで急速に高齢化が進むものと予想されていることがわかる。(ここには掲げていないが)同じ国連データからはタイやシンガポールでも非常に急速な高齢化が今後進むと予想されている

3.高齢化に要した期間(高齢化のスピード)の国際比較

上記のデータから、他の先進国と比較して、日本では特に急速に高齢化が進んできたことがわかる。

高齢化のスピードについて国際比較をしたい時、高齢化率の増加に要した期間を国際比較することがある。便利なことに、そのようなデータが国立社会保障・人口問題研究所の『人口統計資料集』で提供されている。どのデータによって、主要な先進国における、一定の高齢化率に達した時期、および高齢化率上昇の速度を見てみよう。

このデータによると、日本の高齢化が欧米の先進国と比較して非常に急速に進行したことがわかる。例えば、高齢化率が7%から14%まで上昇するのにかかった年数は、欧米諸国では短くても40年程度であるのに対し、日本では24年であった。これは10%から20%までの上昇スピードで見ても同様である。

日本では他の先進国と比較して急速に高齢化が進んだことから、高齢化に対応するための制度的な調整などの問題がより大きなものとなったと考えられる。世代間の不公平といったことが大きな問題として認識されている状況にも、そのような背景があると考えられる。

データのソース

(1)世界各国の高齢化率の推移と将来推計:国際連合のWorld Population Prospects

https://esa.un.org/unpd/wpp/

・”Download Center”では、各国の人口に関する様々な詳しいデータが入手できる。例えば、年齢階級別の人口構成比については”Percentage by Broad Age Groups – Both Sexes”

・”Interactive Data”では、自分の見たいデータを選択していく形で、データを表示・ダウンロードできる。

・同統計の利用の仕方については、総務省統計局の「国際連合(UN) World Population Prospects の使い方」も参考になる。

・なお、下記の社人研「日本の将来推計人口」の中の「資料表」の中でも、主要国の65歳以上人口に関する国連統計をまとめた資料を入手できる。

(2)日本の高齢化率の推移:国立社会保障・人口問題研究所の『人口統計資料集』

http://www.ipss.go.jp/

・高齢化率のデータについては、「年齢別人口」データの中の「年齢(3区分)別人口および増加率」

(3)日本の高齢化率の将来予測:国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」

http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp

・2016~2065年の推計結果および、2066~2115年が長期参考推計結果表として入手できる

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